あんしんステージ法務・福祉事務所近くのビルオーナーの方から相談があったのは、私が事務所を出ようとしていた夜7時過ぎの事でした。「テナントが出て行かなくて困っているのだけど相談に乗って欲しい。」松本様(仮称)は高齢の女性ですが、品川に3つのビルを持ち、賃貸業で生計をたてられてこられました。そのうちの山手線駅前ビルの1階路面店をある音楽関係業のA氏に賃貸していたそうですが、最近賃料が滞りがちになっていたそうです。不動産仲介会社を入れず直接賃貸借契約を行ってきた松本様ですが、賃借人A氏とは当初の契約時だけで、ほとんど顔を合わせた事がなかったそうです。最近深夜迄営業しているA氏に対して、ご近所から騒音のクレームも入るようになってきてご相談に来られたようです。
私はその不動産賃貸借契約書を拝見しましたが、あくまで一般的な内容となっており、解約に関する規定及び騒音等迷惑行為に関しての規定が明確ではありませんでした。また、A氏は第三者への転貸に対する疑義もありました。幸い松本様とA氏との間は紛争状態にはなっておらず、話し合いで解決できる可能性があると考えた私は、松本様にこちら側の意思を明確に伝える為にも内容証明郵便の送達をお勧めしました。松本様はご納得され、その日のうちに内容証明郵便を作成し、品川中央郵便局より投函致しました。数日後A氏より「話がしたい。状況をご説明したい。」と松本様に連絡が入ったようで、再度あんしんステージにご相談に来られました。私は「このタイミングを逃さず合意書を作成致しましょう。」と松本様がご納得される合意内容について話し合い、原案を作成致しました。数日後「ありがとう。A氏と合意に至って、今月中に退去してくれる事になったよ。余計な出費も省けました。助かったぁ。」そう笑顔でおっしゃる松本様でした。
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